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2010-10

『大奥』 (男女逆転) - 2010.10.07 Thu

無論、原作漫画のファンである。
だってよしながふみだもの。
あの独特の、最効果的空間利用画にまいっちんぐなのである。

よしながふみといえば、この作品までは断然、
現代モノと、特に西洋歴史モノに特筆すべき名作が多かった。
ドラマにもなった『西洋骨董洋菓子店(ドラマ名アンティーク)』や
『執事の分際』『ジェラールとジャック』『彼は花園で夢を見る』など
枚挙に暇がない。
もともとBL漫画家であるから、非BL誌に掲載された作品にも
そういう色合いのキャラクターが出てくることは多い。
しかしそうした設定に対する嫌悪や先入観を於いてでも
是非とも読んでいただきたい、面白く哀しくも切なく、
最後には涼風に吹かれて草原に立っているような
読後感を与える作品が多い。

『大奥』が発表された当時、その彼女が突然和物、
しかも江戸時代?と思ったものだ。
だが空間美というものは、実は和物においてこそ切れ味が勝る。
その意味で、この漫画はまさによしながふみが描くべき話なのだと感じられるのだ。

しかも疫病で若い男性が激減した世界。
社会システムにおいても男女の役割は逆転し、
江戸の街中を威勢よく走っていくのは女性の職人たち、
吉原で格子窓越しに媚びを売るのは美しい男たち。
そんな男女逆転の世界で、大奥には、公称三千人(実際は八百人弱らしい)の
見目麗しい男子たちが暮らし、ただ一人の女(将軍)を巡って争い、
あるいは実際の大奥がそうであったように、孤閨を囲っている中上臈たちの間で
同性愛が繰り広げられるのである。
――うん、実によしながふみにぴったりだ。



さて、映画。
キャスティングが発表になった時、
「ええ~~~ニノ~~~?( ̄◇ ̄;
 どうかなそれは~~~~」と不安と懸念がぐるぐるしたが、
二宮和也は実にあでやかかつイナセに、主人公水野祐之進を演じていた。
特に江戸弁の巧みさと、伝法で、でも洒落ッ気があって粋な演技のテンポは
さーすが葛飾出身(笑)と唸らされた。

柴咲コウちゃんはやはり美しい。
よしながふみ自身が「吉宗はコウちゃんで」と拘ったのもわかる気がする。
あの目ヂカラはすごいわ…。
また、質素倹約を旨とした吉宗の地味なグレイの打ち掛けが
あれほどキリリと着こなせるのもすごいなと思った。
…ただ、打ち掛け姿でお鈴廊下を歩く時にも
爪先を上げ、外足だったのが惜しい。
いや、吉宗はそういうキャラなんだろうけどね……(-_-;)
将軍位継承前の初登場シーンが、和歌山の野山を

白馬で駆ける吉宗さま

だったのはワロタ。
…きっと劇場内の全員の脳内に特定のBGMが流れていたことだろう。



大奥の面々も実に美しい殿方ばかりだった。
佐々木蔵之介はいかにも悪そうだし(笑)、玉木宏は震えがくるほど美しいし、
なによりみなさん、裃がまぁド派手(爆笑)
原作との大きな違いは、御中臈の松島と柏木が一人のキャラに融合されていたこと、
水野と立ち合って負けた鶴岡の悲劇的なエピソードがオリジナルで
付け加えられていたことだった。
あと、吉宗とお庭番三郎佐が江戸の街にお忍びで出かけていたことだったかな。

まあそのあたりは、制作上の都合ってやつだろう。
それだけに、日本映画に特徴的な、
二時間ドラマ枠でも充分だったはずの内容量(質じゃなくて量)を
むりやり引き延ばした感は否めない。

原作では第1話にあたる今回の内容だけでは、
あの人間の情念が大河となって男女逆転した江戸期の大奥を
まるごと押し流していくようなスケールの大きさは
感じ取れなくて、こぢんまりと纏まりすぎてしまうのは
致し方ないとはわかっているのだが。

だーからーー。
むしろこれは、連続ドラマでTVでやってほしいのよねぇ。
でも、衣装とかセット、ケチらないで。


……無理かorz





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