三婆。 - 2014.01.28 Tue
夫の父方の義伯母たちは、従兄弟たちの間で「三婆」と呼ばれている三姉妹だ。
彼女たちの下に、本家の義伯父と義父がいた。
弟たちが70代前半で亡くなったあとも姉たちは元気いっぱいで、
義母父のお葬式や埋葬、墓についていろいろ口をはs…もとい、アドバイスをくれていた。
しかし80を過ぎてからの彼女たちは、さすがに体調を崩し、
頭の働きのほうも段々とおっとりさんになってきて、
ひとりまたひとりと、年齢順に亡くなっていった。
そして先日。
三婆の三人目の義伯母が、とうとう彼岸に行ってしまった。
前回夫側のお葬式に出たのは2年前、当の義伯母の夫であった義伯父の時だったなと
同じ葬儀会館で同じ精進揚げの食事をいただきながら思い出す。
あの時すでに痴呆症が始まっていた義伯母は、
お葬式でワタシたちに会っても誰だかいまひとつ判っていないようだったが
かつてのキツイ物言いも、物見高い様子もまったく消えてしまって、
ああ義伯母ちゃん、年取ったなあと寂しく思えたものだ。
それからわずか2年で、義伯母は夫の所へ行ってしまったのだ。
これで義父の姉弟は「全員おらんようになったなぁ」と
両親を相次いで亡くした従兄が感慨深げに呟いた。
…うっかり涙ぐみそうになって、慌てて呑み込んだ。
夫の伯父伯母で最後に残ったのは、お嫁にきた本家の義伯母だけ。
その義伯母もすでに妖精さんになってしまっていて、
従兄の妻である本家のお嫁さんによれば、一時期の暴れようが嘘のように穏やかなのだそうだ。
「あの頃は大変やったけど、今はホントに楽になったわ」
ちょっと寂しそうに言った彼女の言葉に、また泣きそうになった。
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